本当の視力を知る二つの基準 実用視力とジオプトリー

目安時間:約 11分
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実用視力

あなたが把握しているはずの、あなたの裸眼視力が、必ずしも正しいものだとは限りません。

 

こう言うと、あなたは何を言っているんだと混乱してしまうかもしれませんが、視力検査を行う機関が違うと視力が上下した、という経験があなたにはありませんか?

 

今回は、この視力が上下してしまうのは何故かを、あなたとシェアしたいと思います。

 

 

 

まず、3m~5mほど離れて、ランドルト環(上図のような、視力検査に用いるものです)の切れ目が見えるか否かを左右の目でテストしていくのが、通常の視力検査です。

 

皆さんも覚えがあると思いますが、

「これは見えますか?」

「右かな?」

というやり取りの後で、視力が決定されるあの検査です。

 

実はこの視力検査に落とし穴があり、一瞬でもランドルト環の切れ目が見えていれば、それがあなたの視力とされるのです。

 

これでは風速でいう所の『瞬間最大風速』であり、常にその風速で出ている『平均風速』ではないのです。

『瞬間最大風速』で視力を考えると、『視力は1.0あるのに、見にくい』『環境によって見え方が違う』という現象が起こります。

 

実際、『視力が良い人は目の病気の心配は無い』という考え方も『瞬間最大風速』で視力を考えているから起こってしまいます。

 

現実に『瞬間最大風速』で測定する視力では、白内障なのに、1.0以上の視力であると判断された方もいるのです。

 

これでは、水晶体(カメラで言う所のレンズの役割を担う)は濁っているので、視力が良いと判定されても『生活が不便になっている』と訴える訳です。

そのため、近年では『実用視力』という考え方が広まっています。

 

 

1 実用視力とは

 

もっとも、眼科の中で実用視力がスタンダードになっているか、問われると首を傾げざるを得ないでしょう。

 

元々、この実用視力という言葉は造語であり、ドライアイという概念をお茶の間に広めた慶応大学の坪田一男教授が仕掛け人ではないか、と言われています。

 

最初に実用視力という言葉が出てきたのがNHKで放送されていた『ためしてガッテン』です。ここで医学情報を扱う際には、その道の専門家が監修するのですが、恐らくは内容も監修されていると考えられるので、そうなると坪田一男教授が仕掛け人なのかな、と私は考えています。

 

実用視力の測り方は40秒から1分の間に3回から4回の測定を連続して行います。

 

連続的にものを見ることで、実生活の環境に近い視力を測るのです。

 

測定の間は可能な限りまばたきをしない、というルールがあります。

 

これはドライアイや白内障の人は、時間の経過と共に実用視力が低下するためです。

 

ですので、医師側として『実用視力』は病気の判断材料にもなります。

 

検査を受けた人の中には、最初の10秒で1.0まで見えていた視力が、次の10秒で0.8以下に低下していた例も少なくないのです。

 

ちゃんとした機械でこの実用視力を測定するようですが、普通にまばたきをせずにランドルト環を見つめることで、測定することが出来るのではないか、と正直私は疑問に思っています。

 

2 ドライアイと実用視力

 

とある眼科のホームページで掲載されている情報では、ドライアイ患者さんにこの傾向は強いようで、特に瞬きの回数を制限して実用視力を測定すると、その違いがしっかり出てくる模様です。

 

ドライアイでは目標をじっと見続けることで、涙液層が不安定になってしまうので、その結果見える像がぶれてしまい、視力が低下するのではないか、と考察されています。

 

こういう具合で、ドライアイに悩まされている方は「視力は良いのに、見えづらい」という症状を訴えるケースが見られるのです。

 

「視力は良いのに、見えづらい」という方は、目の負担を軽くするために以前シェアさせて頂いた二つの記事内容が参考になると思います。

 

ドライアイ予防に3分で出来るストレッチ

 

疲れ目を癒す3つの方法

 

成人を対象とした遠方視力、実用視力との関係【出典 慶應保健研究(第 31 巻第 1 号,2013)】では、実用視力を測定する時のまばたきの回数をカウントしていますが、これは男性よりも女性の方が多いという結果が出ています。

 

これは女性の方が、男性と比べてドライアイの方が多かったことも関係しており、こちらの考察では、『眼鏡よりコンタクトレンズを使用している人が男性に比べ多かったことが影響していると考えられた』とまとめられています。

 

これは、ドライアイの症状の一つでもある、目の表面の乾燥を防ぐためにまばたきの回数が増加する、というものと、この結果が一致しているので、ドライアイの原因の一つにコンタクトレンズの長時間装用がかかわっているのではないか、と考察されています。

 

3 ジオプトリーと視力

 

また、この実用視力の他に、眼科で用いられている基準が屈折度数です。

 

視力が、3~5メートル離れた位置からランドルド環を見て、「1.0」の部分が見えれば視力1.0と判定されますし、「0.5」の部分が見えれば視力0.5と判定されます。

 

これでは測った視力が『瞬間最高風速』という感じで、その瞬間の視力しか測る事が出来ないのが問題だ、ということで実用視力、という概念が登場した、という所まではあなたとシェアした通りです。

 

ただ、眼科では、あなたや私の視力の数値は『ジオプトリー(D)』という数値で表されています。

 

この数値によって、眼科の先生はあなたや私の近視の度合い(近視も進行具合によって、軽度、中度、強度、最強度)を判定するのです。

 

ちなみにこの数値、ジオプトリーとは屈折度数のことを表しており、このジオプトリーは以下の式で表されます。

 

≪屈折度数(D)=1÷焦点距離(m)≫

 

参考までに、どのくらいのジオプトリーで、視力がどのくらいになるのか、という表を作ってみました。

あなたの参考になれば幸いです。

 

軽度近視 近視の進み具合(度数) 裸眼視力の範囲
-0.25D 1.2~0.8
-0.50D 1.0~0.5
-0.75D 1.0~0.4
中度近視 -1.0D 0.9~0.2
-1.25D 0.8~0.1
-1.5D 0.8~0.1
-1.75D 0.7~0.08
強度近視 -2.0D 0.7~0.08
-2.5D 0.5~0.06
-3.0D 0.3~0.04
-3.5D 0.3~0.04
最強度近視 -4.0D 0.2~0.04
-4.5D 0.2~0.04
-5.0D 0.1~0.02
-6.0D 0.1~0.02
-7.0D 0.06~0.02
-8.0D 0.04~0.01

引用元 これで視力がグングン回復する 仲上紀政 著

ちなみに、近視の表示は-の値となりますが、遠視の場合は+の値となります。

正視(異常無しと解釈して下さい)の場合で±0の値になります。

眼科のお医者さんは、このジオプトリーで近視の程度を判断しています。

ちなみにこのジオプトリーという数値は、眼科で測定する他に、メガネ屋でメガネを作る際などでもオートレフラクトメータなどの機器を使うことで正確な数値を知ることができます。

メガネ屋でジオプトリーを測って貰うよりは、眼病の有無も知ることができるので、眼科の方がオススメです(ただし、仮性近視であるにもかかわらずメガネをオススメするような眼科はNGです)

ちなみに、このジオプトリーを自分で調べる方法も、一応あります。

一応、と言うのはやはりオートレフラクトメータなどを使って測定するのとでは正確さで雲泥の差があるからです。

私のオススメとしては、眼科で測定して貰う事をオススメします。

では、自分でジオプトリーを測定する方法ですが、まずは裸眼で本を持ちましょう。

そして、手に持って目の前に掲げた本の文字が、どれくらいの距離からぼやけて見えてくるかを測定するのです。

もし、目から20cmほどで本の文字がぼやけるのであれば、これを屈折度数の式に合わせて-5Dという屈折度数になります。

もっとも、このジオプトリーの算出方法はかなり大雑把です。

何故なら本に書いている文字の大きさは本によって異なってくるので、あくまで大雑把なジオプトリーしか算出できません。

正確な実用視力やジオプトリーを知りたいのであれば、眼科に行かれることをオススメします。

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