原発解放隅角緑内障と5つの手術方法

目安時間:約 14分
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原発解放隅角緑内障

今日は原発解放隅角緑内障についてあなたとシェアしようと思います。

 

昨日シェアした原発閉塞隅角緑内障が、台所で例えると、流し口が詰まってしまうタイプであるのに対し、原発解放隅角緑内障を台所で例えると、流し口は大丈夫なのに、排水溝が詰まってしまうタイプです。

 

ちなみに、緑内障をわずらう7割~8割程度の方が、原発解放隅角緑内障ではないかと考えられています。

 

残り2割のうち、1割が原発閉塞隅角緑内障で、もう1割がその他の緑内障(続発緑内障など)になります。

 

 

1 原発解放隅角緑内障の治療法

 

原発解放隅角緑内障の場合、治療はまず薬物治療からはじめます。

 

このくらいの眼圧を保ちたい、という目標レベルをまず決めて、その数値を維持できるように目薬でコントロールしていくのが一般的です。

 

この目薬については、後日シェアさせて頂きますが、非常にたくさんの種類があるので、状況に応じて様々な組み合わせることで眼圧をコントロールしてくれます。

 

 

しかし、薬物治療だけでは眼圧がコントロールできなくなった場合は、レーザーを用いた手術を行います。

 

レーザー繊維柱帯形成術、という名称です。

 

 

2 レーザー繊維柱帯形成術

 

 

アルゴンレーザーという熱を発するレーザーを繊維柱帯という、排出口のフィルターのような役割を部分に照射します。

 

アルゴンレーザーを繊維柱帯に照射することで排出口のフィルターの網目を広げ、房水の流れを改善するのです。

 

治療時間はおよそ5分~10分程度。

 

 

ただ、何事にもメリットとデメリットがあるのですが、このレーザー繊維柱帯形成術のデメリットをあげろと言われたら、私は効果の低さをあげます。

 

原発閉塞隅角緑内障で用いられるレーザー虹彩切開術は、7割前後の方には効果があるそうですが、原発解放隅角緑内障で用いられるレーザー繊維柱帯形成術は効果が限定的で、充分な効果があげられる人は、治療を受けた人の4割前後だと考えられています。

 

さらにレーザー繊維柱帯形成術を繰り返す事で繊維柱帯が萎縮するというデメリットがあるので、一度行って効果が無ければ、レーザー治療ではなく、手術療法を検討することになります。

 

3  原発解放隅角緑内障の二つの手術方法と費用

 

手術療法は、これまでは次の二種類がありました。

 

軽度の原発解放隅角緑内障に対して行われる、繊維柱帯切開術。

 

別名で、トラベクロトミーと呼ばれる、日本のお医者さんが得意とする手術方法です。

 

そして、正常眼圧緑内障を含む原発解放隅角緑内障をわずらう方に実施される繊維柱帯切除術。

 

こちらはトラベクレクトミーという別名があります。

 

本やホームページによっては、このどちらかの名前しか掲載していないモノもあるので、一応両方覚えておいた方が良いと思います。

 

まずは、繊維柱帯切開術、トラベクロトミーについてあなたとシェアさせて頂きます。

 

台所で例えさせてもらうと、排水溝には異物を流さないようゴミ受けがありますが、このゴミ受けを取っ払うイメージです。

 

この手術の流れとしては、以下の流れになります。

 

局所麻酔

結膜(強膜と呼ばれる白目の表面、まぶたの内側を覆う薄い膜のことです)を切開し、

強膜の一部をめくる

繊維柱帯の目詰まりが強い部分を切開

強膜と結膜を元に戻す

 

繊維柱帯が通りやすくなることで、房水の流れが回復するのです。

 

こうして書くとあっさり終わりそうなイメージがありますが、手術に要する時間は1時間~1時間30分ほど。

 

線維柱帯を切り開くことによって、静脈から眼の中へ血液が逆流してしまうので、この手術をした後は、出血によって見えにくくなります。

 

この出血が、吸収されることで、元の視界を取り戻すまでの期間として、早ければ2日、長ければ1週間ほどかかります。

 

さらに、目に細菌が入り感染症になるリスク、白内障になるリスク、視力が低下する(0.1以下になる)リスクも存在します。

 

この手術を行うことで、眼圧は18㎜Hg程度(数値は状況や施術者によって前後するかと思われます)まで低下させることが目標になります。

 

繊維柱帯切開術(トラベクロトミー)の手術費用は、3割負担で6万円前後になります。

これに検査代、薬代、その他諸々が加わります。

 

繊維柱帯切開術(トラベクロトミー)のメリットは、合併症のリスクが、繊維柱帯切除術と比べて低いことです。

 

効果が持続する成功率はおよそ7割。

 

ただし、繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)ほど、眼圧が低下する効果は見込めません。

 

最近では、この派生形として、より危険性を少なくしたトラベクトームという手術法があります。

和名にすると、流出路再建術とでも呼べば良いのでしょうか?

 

4 緑内障の最新手術

 

 

名前の呼び方は置いておくとして、このトラベクトームという手術方法は最新のもので、ライセンス制を取っています。

 

つまり、このトラベクトームを行うには、医療免許の他に、『あなたは、トラベクトームをしても良いよ』という許可が必要になるのです。

 

そのため、このトラベクトームを行える眼科は少ないのがデメリットの一つです。

 

また、繊維柱帯切開術(トラベクロトミー)と比べて、眼圧の下がり具合が少しばかり弱いこともデメリットの一つにあげられるでしょう。

 

 

しかし、このデメリットを覆せるくらい、このトラベクトームは危険性が少ないのです。

具体的には、まず出血が少ない。

 

可能性としては、処置をしなければならないほど出血することもありますが、そのリスクは繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)より低いです。

 

また、トラベクトーム直接見ながら手術が可能なので、違う場所を切ってしまうリスクがほとんどありません。

 

そして、この方法は直接見ながら手術を行うので、手術時間が短く、10分ほどで終わることが出来ます。

 

また、許可制なので安全確実に手術できることも大きなメリットの一つでしょう。

 

そして繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)。

こちらは台所に例えると、直接本管へ管をつなぐようなものでしょう。

手術の手順は以下の通り。

 

 

局所麻酔

結膜(強膜と呼ばれる白目の表面、まぶたの内側を覆う薄い膜)を切開してめくる

結膜の下にある強膜を半分の厚さに剥ぐ

フタのようにして、残った強膜と虹彩に孔をあける

そこに強膜のフタをかぶせて縫い付け、結膜を戻す

 

 

こうすることで、房水は隅角から結膜の下へ流れて行きます。

 

 

手術時間は30分~1時間ほど。

繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)の手術費用は3割負担で7万5000円前後。

これに検査代、薬代、その他諸々が加わります。

 

繊維柱帯切開術(トラベクロトミー)よりも高い効果が見込め、目標眼圧は12以下とすることもあります。

 

デメリットは効果が高過ぎるために眼圧が下がり過ぎて、眼球がへこんでしまう可能性があることです。

 

また、孔をあけるので菌が入りやすく、感染症のリスクも増えます。

 

この他にも乱視をわずらう、視力低下、目の異物感、コンタクトレンズの装着が難しくなる、出血がある、などです。

 

繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)は一回で終わるモノではなく、複数回必要とすることもデメリットにあげられるでしょう。

 

そして、この繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)をパワーアップさせた手術があります。

ただこの手術名、書籍やホームページなど、情報の媒体によって名前がまちまちです。

 

緑内障チューブシャンと手術とか、エクスプレス、緑内障フィルトレーションデバイス、アルコンエクスプレス……

 

違う手術なのかと思って読み進めてみると、どうも内容的に同じものらしいです。

 

とりあえずここでは、文字数が少なくて書きやすいんで、エクスプレスと書かせて頂きます(笑)

 

2012年に人工物を使って、房水の新たな排出路を作る手術法が認可されました。

 

房水を抜くための専用のインプラントを置く事で、排出路を確保しよう、という考えです。

繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)では、極端に言うと、大きな穴を空けて傷をつくる→この穴は基本的には塞がっていくが、いくらか穴が残るので、そこから房水が流れていく、という目的で行う手術なのです。

 

しかし、この傷の治りが良いと、穴は考えていたよりも小さくなりますし、最悪の場合は塞がってしまい、手術をした意味がありません。

 

かと言って、傷の治りが悪いと、今度はその穴から房水が過剰に流れてしまい、眼圧が下がり過ぎて、眼球がへこむことも有り得る訳です。

 

ですが、このエクスプレスであれば、一定の穴の大きさが確保できるので、穴が塞がる心配はありませんし、穴が大きくなり過ぎる心配もありません。

 

さらには、傷も小さいので出血のリスクも小さくなる、と大きなメリットがあります。

 

エクスプレスは繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)で効果が無かった人、手術であけた穴が塞がって再手術を繰り返す人、繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)が受けられない人などに対し、治療できる可能性がある有望な手術法です。

 

 

ただ、デメリットが無い訳ではありません。

人工物を使って房水の排出路を確保するので、人体に異物を残すことで将来的に何か問題が発生する可能性があることです。

 

この手術費用は3割負担で約10万5千円。

これに材料費、検査費、薬剤費がプラスされます。

 

 

最後にバルベルトインプラント、という手術方法が最新手術としてあげられます。

台所で例えるなら、排水管だけではなく、本管ごと取り換えて水を流す、というかなり大がかりな手術方法になります。

エクスプレスでは非常に小さいチューブを用いますが、このバルベルトインプラントという方法は、長いチューブを用います。

 

繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)より高い効果を望める手術法で、安全性も中々高いのがメリット。

しかし、バルベルトインプラントの最大のメリットは、これまで挙げてきた手術方法では効果が無かった方でも、この手術法は効果が期待できる点でしょう。

 

ただ、大掛かりな手術になるのがデメリットの一つです。

また、繊維柱帯切除術(トラベクレクトミー)と同様に、出血、感染、眼圧が下がり過ぎる、眼圧が下がらない、というリスクも存在します。

ちなみに、アメリカではこの手術法が主流になっています。

 

この手術費用は3割負担で約13万5千円。

これに材料費、検査費、薬剤費がプラスされます。

 

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